結論:SNSは「比較で負けないための必須インフラ」
地域で選ばれる接骨院は、比較の瞬間に強い要素(人柄・安心感・料金の明確さ・実績の伝え方)を揃えています。いま患者さんの情報収集は検索だけでなくSNSを横断するのが当たり前。SNSは集客の決め手というより“比較で置いていかれないための必須インフラ”です。
日本のソーシャルメディア利用は2025年時点で人口の約79%(約9,700万ID)に達し、接点を持たないこと自体が機会損失になっています。 DataReportal – Global Digital Insights
時代背景:患者行動は“検索×SNS”のハイブリッド
- 普及状況:SNSの主要利用はLINE、YouTube、X(旧Twitter)が上位。ネットユーザーに占める利用率はLINE 74.7% / YouTube 65.4% / X 55.9%。ビジュアル重視のInstagramも存在感が大きい。 ICT総研〖ICTマーケティング・コンサルティング・市場調査はICT総研〗
- Instagramの規模:日本のアクティブユーザーは約5,750万人。院の“空気感”やビフォーアフターではなくプロセスや信頼を視覚で伝えるのに適しています。 DataReportal – Global Digital Insights
→ 患者は「Googleで候補を出す→SNSで雰囲気確認→再び地図やHPで比較→予約」という“往復”をするため、SNSが空白だと比較負けしやすくなります。
まず整理:SNSで何を達成したいのか(目的→指標)
目的は5つに絞ると運用がブレません。
- 認知:院名・理念・得意領域を知ってもらう
KPI例:リーチ、フォロワー純増、保存数 - 比較の勝ち筋提示:人柄・安全性・価格の明確さ
KPI例:プロフィールリンクCTR、DM相談数 - 予約誘導:LP/予約導線へスムーズに送客
KPI例:リンククリック→予約CVR(UTMで計測) - リピート促進:セルフケア・通院目安の教育
KPI例:既存患者の再来率、LINE公式の開封/クリック - 採用ブランディング:働く雰囲気・学習環境を可視化
KPI例:採用LPクリック、応募数/面談率
まずは「3か月でプロフィールリンクCTRを2→4%」「予約CVRを5→8%」など、小さな改善KPIを設定しましょう。
どのSNSを選ぶ?(役割分担の早見)
- Instagram:院の空気感、症状別ミニ講座、スタッフ紹介。ハイライトで「価格/アクセス/予約」を固定。
- TikTok:短尺の注意喚起・セルフケアの“1ポイント”。若年層や親世代への間口。
- YouTube(ショート含む):検索耐性が高い“長めの解説”。来院前学習や採用にも有効。
- X:お知らせ・混雑情報・メディア露出の速報。
- LINE公式:既存患者へのリマインド導線(回復の目安、次回来院の目安、予約URL)。
コンテンツ設計:比較で勝つ“4本柱”
- 初回不安の解消:初診の流れ、服装、時間、会計、保険と自費の線引き
- 得意領域の明確化:例)スポーツ障害、産後ケア、デスクワーカーの肩・腰
- 安全性と信頼:資格・研修・衛生対策・院内設備・連携先
- セルフケアと生活アドバイス:季節/競技/年代別の“やりがちNG→代替策”
※効果の断定表現は避け、プロセス重視。「こうすれば必ず治る」等は不可。
ショート動画30秒テンプレ
- フック(3秒):やりがちなNGを一言で
- 理由(10秒):簡潔な体の仕組み
- 代替(10秒):今すぐできる1つ
- CTA(7秒):詳しくはプロフィール→「初めての方へ」へ
予約に繋げる導線:SNS → HP/LP の一方通行を作る
- プロフィールにリンクまとめ(HPトップ/症状別LP/料金/アクセス/予約)
- 全投稿の固定コメントに「詳しくはプロフィールへ」
- 予約ページはスマホ最適・LCP2.5秒以内(画像のWebP化、不要スクリプト削除)
- UTMで流入元を可視化(utm_source=instagram 等)
LLMOの観点:生成AI時代に“正しく言及される院”に
ChatGPT等のAI回答は一貫した一次情報と**外部の言及(サイテーション)**を重視します。
- NAP(院名・住所・電話)完全一致:HP・Googleマップ・SNSの表記統一
- FAQの充実:保険適用範囲、受診目安、通院頻度の考え方
- プロフィールの「肩書き・資格」を正確に
- 地域×得意領域(例:○○市×スポーツ障害)を自然に記述
これらはAI最適化(LLMO)とSEO/MEOの土台を共通で強化します。
法規・表現チェック:SNSでも“広告”になり得ます
- 医療広告ガイドラインは媒体を問わず、誘引性×特定性が揃えば広告として扱われ、データ根拠の不明確な効果主張は虚偽広告の扱いになり得ます。SNSも対象になり得る点に注意。 厚生労働省
- SNSの体験談・感想:第三者の投稿でも、院が依頼・選別・強調するなど誘引性があれば規制対象になり得ます。 厚生労働省
- あはき・柔整の広告ガイドライン:法で広告可能な事項以外は広告不可。SNS発信でも適用を意識し、過度な比較優良・誇大・未承認の効能表現は避け、価格・施術時間・予約可否など事実情報の整備を。 岐阜市厚生労働省
実務ポイント
- Before/Afterの断定回避(写真は雰囲気に留める、個人差の明記)
- 「改善を保証」等の絶対表現NG
- 自費と保険の線引きを明確に(詳細はHPのFAQへ)
週3投稿の運用モデル(90分×月2回の撮影で回す)
- 毎週の型
- ①症状別“やりがちNG→代替策”
- ②初診不安の解消(服装・時間・支払い・駐車場)
- ③院内・人柄(スタッフの学び、地域活動、清掃のこだわり)
- バッチ運用:月2回×90分で18本撮影(6本/回×3週分)。編集はテンプレ化。
- キャプション:①一文結論→②3つの要点→③「詳しくはプロフィール→予約」
- ハイライト:価格、アクセス、予約、初めての方へ、得意領域
SNS×MEO×HP/LP:役割の分担で“比較”に勝つ
- SNS:空気感・信頼・プロセスを“日々”更新
- MEO(Googleマップ):写真・商品(メニュー)・投稿を定期更新、口コミは質と返信
- HP:一次情報の土台(理念・料金・FAQ・予約)
- LP:症状/目的別に1テーマ集中で背中を押す
はじめの3か月・達成基準(目安)
- 投稿頻度:週3本(うち動画2本)
- プロフィールCTR:2→4%
- 予約CVR:5→8%(LP改善+速度最適化)
- 既存患者LINE登録:来院者の30%
- FAQ10本追加(HP)/ハイライト5枠整備(Instagram)
まとめ
- いまSNSをやる理由:患者行動が“検索×SNS”の往復になり、SNS空白=比較で劣後につながるから。
- やること:目的を5つに絞り、**導線(SNS→LP/予約)と一次情報(HP/FAQ)**をそろえ、法規に適合した表現で継続発信。
- 勝ち方:派手さより一貫性・安心・速い予約導線。そしてLLMOでAIにも正しく伝わる設計に。
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